イースターと言うと、イースターエッグやエッグハンティング、またはイースターバニーと言った可愛らしいシンボルや楽しい遊びが有名で、これはきっと子供のお祭り?
そんな風に思っていらっしゃる方も多いかもしれません。
しかし、イースターは実は忙しく働いている大人のあなたにこそ、素敵な時間を過ごして頂きたい季節です。
そこで、キリスト教の暦にちなんだ過ごし方をご紹介します。
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イースター前の40日間はレントと呼ばれる期間
イースターはキリストの復活記念日です。(イースターの起源は?日付が毎年変わるわけ)
キリスト教の暦では、イースター前の、日曜日を除く40日間をイエスの十字架の苦難と死に思いを馳せる期間とし、レントと呼んでいます。
この期間は黙想と祈りの時として過ごします。
「40」という数字は聖書の中によく出てきます。
例えば、
・ノアの洪水の時、雨は40日間降り続いた。
・イスラエルの民は荒野を40年間さまよった。
・イエスは荒野で40日間断食をした後、悪魔の誘惑を受けた。
などなど。
「準備をする」と言う意味があるそうです。復活の日、イースターに向けて心を備えるのですね。
イースターから日曜日を除いて40日間逆算した日は水曜日になるのですが、この日は「灰の水曜日」と呼ばれ、ここからレントの期間が始まります。
なぜ「灰の水曜日」なんて言う名前なのでしょう?聖書の中では嘆き、悔い改めの表現として灰をかぶるからです。
この日は、食事を1回にしたり、肉を食べずに過ごしたりするそう。
・・・ちなみに今年2018年は2月14日の水曜日が灰の水曜日に当たります。なんと、バレンタインデーの日とぶつかってしまいました(汗)。
これは、ツライ選択となってしまいそうですね。
クライマックスの受難週
イースター前の一週間は、受難週と呼ばれています。
日曜日は棕櫚(しゅろ)の日曜日と呼ばれ、イエスがエルサレムへ入場した日です。群衆が道に棕櫚の葉を敷いて熱狂的にイエスを迎えたことからこの名前が付けられています。
木曜日は洗足木曜日です。イエスが弟子たちと最後の晩餐を持ち、自ら弟子たちの足を洗ったことからこのように言われています。
最後の晩餐と言えば、定番はやはりこの絵でしょう。あまりにも有名なレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」です。
(Public Domein)
もっとも、実際にはユダヤではこのようなテーブルについたスタイルでの晩餐はせず、皆寝そべって食べていたそうですが。
さて、金曜日はイエスが十字架につき亡くなった日ですが、聖金曜日、受難日、受苦日、Good Fridayなどと呼ばれています。
洗足木曜日や聖金曜日には教会によっては礼拝やミサが持たれますが、通常の日曜日のそれと異なり、十字架に想いを馳せる、非常に重々しい雰囲気の礼拝となります。
けれども、闇が暗ければ暗いほど、復活の喜びは大きく、光は輝くのです。
クリスマスにはメサイア、師走に第九、そしてレントには、、、
クリスマスにはメサイアを聴き、師走には第九を歌う日本人。
それでは、レントにはバッハの「マタイ受難曲」や「ヨハネ受難曲」を聴く、なんていうのはいかがでしょうか。
但し、演奏時間は2〜3時間と言うことですから、心して出かけないといけないですね。
コンサート情報はこちら
わざわざ聴きに行くほどは時間がないという方は、ご自宅で鑑賞もいいですね。
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立ち止まる期間としてレントを過ごす
現代人は非常に忙しく生きています。
「あぁ、ちょっとゆっくり考える時間が欲しいなぁ。。。」
そんな考えが頭の片隅をよぎっても、次の瞬間に今日のタスク、To Do Listが目に入った途端、そんなことは忘れてしまってまた何ヶ月もそのまま過ごしてしまうのが私たちではないでしょうか。
昔から受け継がれて来たレントという期間を利用して、ちょっと立ち止まる、おざなりにしていた大切なことや人を思い出す、散歩をしてみる、昔やりたかったことを思い出す、食事にちょっと気を配る、手入れを忘れて突っ走っていた自分に優しくする・・・etc.
そんな機会にしてみてはいかがでしょうか?
レントの40日間を過ごした後に迎えるイースターは、きっとすばらしい再生と回復の時となることでしょう。