「ピアノを習うと、地頭が良くなる!」
最近は習い事としてピアノが再び脚光を浴びているようです。
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なまじ英才教育を行うより、ピアノのお稽古の方が脳の活性化にはずっと良いし、学習塾や英会話、習字、スポーツ系など世に数あるお稽古事の中でもピアノがダントツだと言うのです。
子どもの頃から半世紀近くもピアノと付き合って来た管理人カンブレとしては、これは非常に気になるところです。
まぁ、純粋にピアノが弾けるようになることよりも、脳のためにいいからピアノのお稽古、と言うアプローチに微妙に引っかかる部分もなくはないですが(笑)、そうは言ってもピアノのお稽古が注目されているのは嬉しいことです。
そこで、ピアノのレッスンが何故、そんなに脳の活性化にいいと言われているのか調べてみましたよ。
地頭を良くするのは、ピアノの二つの要素
ピアノの効能を訴えておられるのは脳科学者の澤口俊之先生です。澤口先生によると、ピアノを弾くことに含まれる二つの要素によって、脳が発達するとのこと。その二つとは、、、
- 両手の指が全く違う複雑な動きをすること
- 楽譜を先読みして覚え、後追いしながら弾くこと
では、一つずつ見て行きましょう!
両手の指の複雑な動き
私たちが両手の指を動かす時、左右の親指、人差し指など、同じ指を同時に動かすのは比較的容易ですよね。
では今度は右手は親指から順番に、左手は小指から順番に、同時に動かしてみてください。結構難しくないですか?
ましてや、右手と左手の指をバラバラに細かく動かしたり、左右で違う長さの音を弾いたり、右手はつなげて左手は切ったり、片方の手で二つ三つの音を同時に押さえたりするんですものね。確かにすごく頭を使ってそうです!
このように、左右両方の指を複雑に動かすことで脳の監督役である前頭前野が構造的に発達するのです!
楽譜を指に置き換える過程で記憶力がアップ!
では、もう一つの要素「楽譜を先読みする」とはどういうことでしょう?
楽譜を見ながらピアノを弾く場合、実際には今、音が出ている所よりもちょっと先を見ながら進んで行きます。つまり直前に見た音符を一時的に記憶して指に置き換え、同時に次を見て記憶すると言った作業が継続的に行われるのです。
これによって、海馬と呼ばれる部分が発達し、記憶力がアップするので、学力向上も期待できると言うわけです。
ピアノのレッスンの継続で脳の構造が変わる!?
「複雑な指の動き」と「楽譜の先読み」、この二つを継続して行うことで脳の構造までも変わり、脳機能がまんべんなく発達し、結果、地頭が良くなります。
ここで紹介したのは「前頭前野」と「海馬」についてでしたが、それ以外にも、
- 脳梁(のうりょう)と呼ばれる部分が太くなり、左右の脳のバランス良くなる。
- 小脳が大きくなって運動機能や知的機能、感情的機能までも向上する。
と言うのですから驚きですね。
脳が発達したら、こんな力がつく!
そして何と、HQ(人間性知能)と呼ばれる人間らしい人生を送るための脳力までもが発達するそうです。
■HQとは。。。
- 夢や目的に向かって適切に行動する能力“未来志向的行動力”
- 理性・思いやり・協調性を身に付けてうまく生きる能力“社会関係力”
つまり、自分のゴールを達成しようとする縦軸と同時に、周りの人に対する優しさである横軸。これらの両方が育まれるという意味ですよね?これは非常にバランスの取れた人間像だと思います。そんな風になれたら嬉しいし、お子さんにもそんな力をつけて欲しいですよね。
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いつ頃始める?どのくらい続ける?
脳の発達にはいいことずくめのピアノのレッスン、ぜひお子さんに習わせたい!そう思われたのではないでしょうか・・・?では、何歳くらいでやらせてあげるのがいいのでしょう?
前述の脳科学者、澤口先生によれば、
- 5〜8歳頃が効果的
- 一週間に40分程度のレッスンで充分
- 効果がで始めるのは4ヶ月目くらい
- 2年くらい継続すると脳の構造が変わる
とのことでした。その後は続ければ続けるほど、効果が期待できるそうです。
ここで、ピアノ講師だった私としては「ちょっとちょっと、一週間に40分でいいってどういうこと!?日々の練習は・・・?」などと突っ込みたくなりましたが(笑)、これはあくまでも脳の活性化ということに主眼が置かれているのですものね。
逆にその曲をスラスラ弾けるようになると、もう楽譜は見ないですし、何も考えなくても弾けるわけですから、脳も必死に動いてはいない状態なのでしょう。
ちなみに、お子さんと一緒にレッスンを始めて、ご自分の脳も活性化しちゃおうかな!なんて目論んでおられるお母さま、ぜひぜひ!お子さんほどじゃないにしても、大人も大人なりに効果があるそうですから!(^^)
たとえピアノがものにならなくても、すごい財産だったんだ
私の周りには、「子どもの頃ピアノ習ったけど、途中でやめちゃって今は全然!」というお友達が何人もいます。
あるいは、私がピアノの先生をしていた頃、「うちの子、全然練習しなくって。レッスンの前にちょこちょこっと触るだけで、本当にすみません。」なんて恐縮されるお母さまも。
・・・ピアニストになれなかったらピアノのレッスンを受けたことは、無駄だったんでしょうか?
いえいえ、断じてそんなことはありません!今回澤口先生のお話を知ってますます確信を持ちましたよ。
一週間に一度、レッスンに来る度「また練習して来なかったのね!」と先生にお尻を叩かれながら(実際に叩くわけではありません!笑)あ〜でもない、こ〜でもないって楽譜を見ながら一生懸命頭を使って指を動かす。これを2年続けたら脳が変わるんです!
レッスン代はドブに捨てたわけじゃなかったですね。より良く生きる力を身につけたんですから。
さて、私も久しぶりにまた難しい曲にチャレンジしてみようかなと思いました。楽にできることをくり返しているだけじゃ脳は活性化しませんものね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。(^^)
▶こちらはピアノの先生の視点から→ピアノは何歳から始めるのがいい?早いほどいいと思う落とし穴
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