童謡100年!児童誌「赤い鳥」の創刊から数えて

ご存知でしたか?今年2018年は童謡が誕生して100周年。巷ではそれにちなんだコンサートやイベントなども色々と行われているようです。

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管理人カンブレは日頃から地域の皆さんと一緒に童謡・唱歌を歌ったり、病院でボランティア・コンサートをしたり・・・などと言った活動をしているので、この「童謡・唱歌」のカテゴリーの歌はかなりよく知っているつもりだったのですが。。。

え、童謡ってまだ100年なの?

100年前の1918年と言えば大正7年、じゃあ私のおばあちゃんが子供だった明治時代には童謡ってなかったの?こんな疑問が湧いて来て。

・・・楽しく歌ってるだけで結構知らないことってあるもんですね。そこで、童謡100年について調べてみました♪

文芸雑誌「赤い鳥」が創刊されて100年

1918年(大正7年)7月1日に、児童向け文芸雑誌「赤い鳥」が創刊されました。右から左へ読むっていうのが時代を感じさせますね。

童謡100年というのは、実はここから数えて100周年という意味だったんですね〜。

もちろん、それより前のいつの時代にも子供の歌はありました。古くは例えば「かごめかごめ」など「わらべうた」として口伝で伝えられているものがありますね。

その後日本が開国して西洋の音楽が入って来ると「唱歌」と呼ばれる子供の歌がたくさん作られ、教科書に載るようになりました。

明治10年代にはまだ外国のメロディーに日本語で詞をつけたものが多く、有名なところでは「ちょうちょう(歌詞は今とは違いますが)」「むすんでひらいて」などがあります。

明治20年代以降は日本の作曲家による楽曲が増えて来ました。「故郷」「朧月夜」「春の小川」など、高野辰之(作詞)・岡野貞一(作曲)コンビによる一連の名曲の数々は日本人の心の歌として今も歌い継がれています。

ただ、これらの歌はすべて国の主導で作られ、教科書に掲載され子供たちに教えられました。いわゆる「文部省唱歌」というものです。

時代が下るにつれ、国が意図した歌ではなく、道徳教育のための歌や説話ではなく、もっと純粋に芸術性を追求した子供たちのための歌や童話が必要だ!と考える芸術家たちが現れました。

そんな中で生まれたのが、この「赤い鳥」だったんですね。

赤い鳥から生まれた第一号は「かなりや」

創刊された年(大正7年)の赤い鳥11月号に西條八十による「かなりあ」という児童詩が掲載されました。この詩に成田為三が曲をつけ、翌年5月号に原題「かなりあ」を「かなりや」と改めて、楽譜つきで掲載されました。

ですから、この「かなりや」が童謡第一号ということになります。

今歌っても、全く古さを感じさせない、不思議な情緒のある素晴らしい歌だと思います。

ちなみに作曲者の成田為三は、かの有名な「浜辺の歌」の作曲者でもありますね♪

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童謡と唱歌の違いって何?

ところで、児童誌「赤い鳥」から生まれた「かなりや」以降を「童謡」と呼ぶ、と言われても何かピンと来ないという方も多いのではないでしょうか?

私も、普段歌っていても童謡と唱歌の区別なんて全く考えていません。ですから、今年「童謡100年」と言われて、「え?明治時代には童謡ってなかったの?」と戸惑ってしまったくらいです。

どうやら専門家の中にも「童謡」という言葉は「赤い鳥」発刊前から既にあったのだから、この流れから生まれた楽曲だけをことさら童謡と呼ぶのはおかしい。「童謡100年」ではなく、「『赤い鳥』創刊100年」と言うべきではないか、、、などと言う意見もあるようです。

けれども、やっぱり「童謡100年」と言われた方がインパクトとしては強いですものね。最近は童謡がどんどん廃れる傾向にありますから、このようなインパクトのあるつかみで世の中の人たちがもう一度童謡に目を向けるきっかけになるなら・・・それはそれで良いのではないかな?と、私は思います。

教科書から消えていく童謡・唱歌

若い世代の方々が童謡や唱歌を知らない・・・ということに日頃ショックを受けることの多い管理人カンブレです。50代の私世代と20代の若い方々とは共有できる歌が本当に少ない!

これは、童謡や唱歌が音楽の教科書からどんどん消えて行ってるからなんです。

先にご紹介した「かなりや」も60〜70代の方々は全員知っています。私の世代は微妙、それ以下はもう知りません。

「動物虐待」というレッテルを貼られてしまって、教科書に載らなくなってしまったからです。歌詞の中に「歌を忘れた・・・捨てましょか」という表現が入っていて、これがアウト。詩が描こうとした世界観ではなく表面的な言葉ヅラを捉えられてカットされてしまいました(涙)。

このようなのが残念ながらいっぱいあって、日本人の世代を超えて共有できる歌がどんどん減っています。

歌い継ぎたい童謡・唱歌

病院などでコンサートをすると、かなり認知症の進んでおられる方でも子供の頃に歌った「童謡」「唱歌」には反応されます。手を叩いたり、唇を動かしたり、時には涙を浮かべられたり。

そういう姿を目の当たりにする度、「あぁ、童謡・唱歌はなくしちゃいけない!」と強く思う管理人カンブレです。

四季の美しい日本。そこに生まれたたくさんの童謡・唱歌。

童謡100年に寄せて、先人たちの残してくれた素晴らしい歌に、もう一度目を向けてみませんか?

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