「ピアノ習わせたいんですけれど、何歳からがいいですか?」
仕事柄、お母さんたちから時折こんなご質問を頂きます。
お子さんはまだ1〜2歳。でも音楽が好きそう。鍵盤にも興味を示してる。親として可能性を広げてあげたい・・・
その一方で、
楽器も準備しなくちゃいけないんでしょ?途中で嫌になっちゃったらもったいないし、別にピアニストにしたいわけじゃないし・・・
などなど、色々と迷ってしまいますよね?
分かります!
実は管理人カンブレはピアノレスナーの経験もあり、今もあれこれ音楽周りでお仕事をして色んな例を見ていますので、今日はそんなことも交えながら、冒頭の質問に私なりにお答えしてみますね。
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鍵盤に触れるのは5〜6歳からでも充分
早くから始めた方がアドバンテージがあると思いがちですが、そこはグッとこらえてください!
指がある程度しっかりしてから
個人差もありますが、3〜4歳のお子さんの指はまだ弱く、重たいピアノの鍵盤を弾くには力が足りません。
そこを無理に頑張らせてしまうと、、、
- ピアノを弾くときの指の形が悪くなってしまう。
- 指の力ではなく、手首の重さを使って鍵盤を押すようになってしまう。
- 腕や肩などに不必要な力が入るようになってしまう。
このような状態になると、後々矯正が大変です。。。
指導者も大変ですが、お子さんにとっても一度身についてしまったフォームを変えるのは辛い道のり。ピアノが楽しくなくなる原因となってしまいます。
理解力がある程度進んでから
ピアノのレッスンを始めるということは、指の運動ばかりではなく、同時に楽譜の読み方や音楽理論の初歩も学び始めるということです。
お子さんの頭の中では、
- 耳に聴こえて来る音
- 音の名前
- 音符という記号
- 指の割り振り
こういった複数の情報を結びつけるという作業が行われています。理解力が充分でないと、指は言われた通りに何とか動かせるけれど実は音が結びついていない、ということが起こります。
【私が実際に出会ったお子さんの例】
臨時で一時他のレスナーさんからお預かりした年中さんの男の子。お母様のサポートもあり、よく頑張って課題曲は弾けるのですが、音の高さがわからなくて苦労していました。音符を見ると「これがド、こっちはレ」と分かります。ピアノも親指がド、人差し指がレと覚えて弾けています。ところが音だけで聴くとドとレの音の高さの違いが認識できません。
「ピアノの課題曲がどんどん進む」ということにばかり目が言ってしまうと落とし穴に落ちてしまいます。他のお子さんと比べて多少本の進みが遅くても、音楽的な総合力が身についた方がお子さんの将来のためにプラスになるのではありませんか?
1〜2年の開始の遅れはすぐに取り返せる
私がピアノを始めたのは、6歳になるちょっと前でした。少し遅めだと思いますが、私にとってはちょうど良い時期だったのでしょう、楽しくて毎日よく練習したものです。そしたら、1〜2年のうちに私よりずっと前に始めた友人たちをサッサと抜かしてしまいました。
こんな例もご紹介します。
【私が数年間レッスンした友人のお子さんの例】
5歳くらいの頃、盛んにピアノに興味を示していた友人のお子さんを見て、この機を逃したらもったいない!と思い、ちょっと手ほどきのつもりで教え始めました。レッスンを始めた当初はお家には楽器もなかったし、また、スポーツの習い事も頑張っていたのであまり練習もままならない状況でした。けれど、やる時はやる!というタイプの子で、数年後、もう私が見てあげられなくなってからも、自分で勝手に譜読みをして学校の合唱コンクールの伴奏者の座を勝ち取ったり、と自立して行きました。
彼女の例は、音楽の専門家にはならなかったパターンとしては、ある程度理想的な形に仕上がったのではないかな?思っています。
お子さんにピアノを習わせて、将来どんな風になってもらいたいですか?
- 弾きたい曲を自分の力で弾けるようになってほしい
- 譜面を自由に読めるようになってほしい
- 自信を持って音楽に関われるようになってほしい
ここまでになれたら、きっと大成功なんだと思いますよ。
じゃあ、まだピアノを始める前のお子さんのためにどんなことをしてあげればいいんでしょう?
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ピアノのレッスンを始めるまでにやっておくこと
実際にピアノを習い始めるまでの間に何もやらなくていいのかって言うと、そういうわけではありません。身体で音楽を感じる、、、そんな体験をたくさんさせてあげてください。
リトミックはとてもいい
リトミックは新生児の頃から始められます。音楽に合わせて、お母さんに抱かれてゆっくり揺れたり、音楽に合わせてお母さんがそっと赤ちゃんの身体に触れたり。
1〜2歳以上になると、歌ったり、音楽に合わせてリズムを取ったり、身体を動かしたり、という要素が入って行きます。
はたから見ていると、「ただ遊んでるだけ」に見えるので、これにお金を払うの!?なんて思ってしまうかもしれませんが、こういう活動が実は後々のためにとても大切なんです!
まだ若かりし20代の頃、私は大手音楽教室で講師をしていた経験があります。当時4〜5歳児を対象とした鍵盤導入のグループレッスンを担当していましたが、そこで体験した例をお話ししますね。
【音楽教室講師時代に体験した例】
鍵盤導入のグループレッスンから入会したお子さんは指先だけで弾く傾向が見られました。それとは対照的に、それ以前の3歳児向けの音楽遊びを中心としたクラスから上がって来たお子さんは身体を使ってリズムを取りながら弾いており、音楽的な表現にはっきりとした差が見られました。
ピアノを習う目的は音楽の世界を楽しむため、ですよね?
自宅でできること
リトミックや音楽遊びの教室が近くにない、あるいはスケジュール的に通わせるのは無理。そんな場合でもがっかりしないでください。できることはたくさんあります。
歌を歌う
ぜひ、歌をたくさん歌ってあげてくださいね。身体の中に自然に「音」が培われます。
赤ちゃんの頃から子守歌を歌ってあげてください。歌に合わせて赤ちゃんの身体にそっとタッチしたり、抱っこして歌に合わせて静かに優しく揺らしたり。この優しく揺らすというのは脳の発達に良いと言われています。
お子さんが成長して、自分からも歌うようになったら、一緒に楽しく歌いましょう!
手遊びをする
お母さんご自身が子供の頃遊んだ「手遊び歌」、こういうのもとてもいいですよ。
「せっせっせーーのよーいよーいよい!」
なんてやって遊びませんでしたか?
音楽に合わせて身体を動かすとリズム感が養われます。こういうのをたっぷりやっておくといいんです。
ピアノを習う頃には、それまで身体の中に取り込んだ「音」や「リズム」が指先から鍵盤に流れ出て行く・・・こんな風に考えて頂けると良いかと思います。
好きこそものの上手なれ
さて、私自身の経験からあれこれ書かせて頂きました。きっと違うご意見もあると思います。
ただ、音楽は楽しくなくっちゃ!
もちろん、時には練習は辛いです。でも、その辛い練習に向かわせる根っこの所にあるものは、やはり楽しさ。
この曲をスラスラ弾けたらどんなに素敵だろうっていう憧れ。
そういうのって、ポジティブな音楽体験の中からしかやって来ないと思うんですよ。
ぜひ、あなたのお子さんにもピアノのある豊かな人生を味わってもらいたいなぁ〜と思います。(^^)
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